文法とは何か

地図における文法とは、種別であると考えられます。例えばデータが4種類存在し、記号が3種類存在したならば、計12種類の地図が存在していることになります。

そしてこうした種別が文法と言えるのは、それぞれの種類の地図において、記号の法則の適用のされ方が異なることからも分かります。すぐには文法だと分からない人も、品詞における活用形の違いを想起すれば、ご理解いただけるでしょう。

一般図を例にとりましょう。文法とは秩序付けのことですから、地図においてもどのような秩序付けが機能しているのかについて考えればよいわけです。そうすると、路線記号は道路幅の違いで順序が成立していることも分かりますし、県境や町村の境は、序列の付いた線記号であることも分かります。その他、港の種類を示す点記号も同様に示されていることが見て取れます。

また、郵便局、工場等は点記号によって示されていますが、いずれもそれらの実際のイメージを基に、シンボルが作られていると理解できます。水田や果樹園も同様に作られていることから、およそ一切の記号に、文法が貫かれていることが分かるのです。

 但し、この事実だけをもって、地図に文法があるだの、地図は言語だのと申し上げているわけではありません。凡例はあくまでも語彙集のようなものであり、それだけでは文法に擬えることはできません。その点、主題図はより文法に擬えやすいのかもしれません。主題図の記号様式は一般図に比べ、かなり自由度の大きいものと言えます。

つまり応用辞書なのですが、それでも読み取れるということは、何らかの法則が働いているからだと理解できるのです。正にこの法則こそが、文法だと言えるのではないかというわけです。

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