疑円筒図法とモルワイデ図法

モルワイデ図法とは、投影図法としては「疑円筒図法」に分類される図法です。

疑円筒図法とは、円筒図法の描き方(ユニバーサル横メルカトル図法など)に変形を加えたものです。

地球の表面を円筒に巻き付けたような描き方をするのが円筒図法ですが、その地図からさらに、緯度が高い部分を狭めるような加工を加えたのが疑円筒図法です。

つまり、北極と南極の部分がキュッとしぼられたようになっており、赤道の部分が膨らんでいる形になるわけです。

モルワイデ図法やサンソン図法などは、北極と南極は完全に点として描かれますが、エケルト図法などの平極図法では北極と南極の部分が長さを持って表示されます。

実際の極点というものは、その名の通り面積の無い「点」なのですが、平面状で極点を点として描くと歪みを大きくして描かなければいけません。

それに対する解決策として、極点を直線として表現する図法がいくつか開発されてきました。

また、疑円筒図法の中には、緯線や経線を折れ線で表示するエケルト第1図法と呼ばれる図法もあります。

地球を折れ線で表現する、というのは感覚的に飲み込みにくい表現かもしれませんが、実は古くから存在しているようです。

そして、モルワイデ図法は、地球を平面の楕円で表現します。

1805年にドイツのモルワイデという人物が考案したモルワイデ図法は、正積図法という「地図上で面積の比率が正確に表示される」というタイプの地図になっています。

縦と横の比率が1:2のかたちになっている楕円形として表現され、地球の表面が一枚の平面に全て表示されています。

全体が見やすい地図であるため、地球上に存在する国が、それぞれどれくらいの大きさであるかを把握するのに役立つ図法であると言えます。

コメントは受け付けていません。